デートDVは若者の間で起こるDVです。
内閣府の調査では、交際相手からの暴力の被害経験は女性は6人に1人、男性は12人に1人です。
そのうち命の危険を感じた人は女性は4人に1人、男性は14人に1人です。
そして配偶者からの暴力の被害経験は女性の4人に1人、男性の5人に1人です。
(参考:内閣府 男女間における暴力に関する調査(令和2年度調査) )
DVの前にはデートDVが起こっているということも多く、そこに気づくことが大切です。
デートDVは学校の学びの中で多く触れておくことが大切です。
学校の生徒さんたちのほとんどの問題がその背景にデートDVやDVがあるといってもいかもしれません。
学校の先生たちも理解しておくことがどうしても必要になってきます。
デートDVでよく起こる暴力はストーカーです。
昨今ではストーカー殺人の事件も頻発しており、被害をおこさないための対策は必要です。
デートDV防止教育は加害者を作らないための教育で取り組まなければ加害者をうみます。
さらにDVは児童虐待にもなりえます。子どもがいる家庭でDVが起これば子どもに対する心理的虐待です。
子どもたちは両親のDVを「自分のせいだ」「自分が親守れなかったから」と自分の責任として考えたり、
落ち着かない、不眠、うつっぽいなど心理的身体的にも症状があらわれ、暴れる、自分を傷つける、学校にいけないなどの症状が出ることがあります。
デートDV防止教育ではDVを自分の責任ではないと正しくとらえるために、自分に起きていることが何かを理解するためにも必要です。
そして困っていたら声を出すことが必要で、デートDV防止教育では相談することや相談されるときの対応などを学びます。
子どもたちは大人の真似をすることで学びます。DV家庭の子どもが大人になって加害者になることも多いです。
根強い性別役割の意識や暴力容認の意識などで、親密な相手に対して力を使って自分の思い通りにコントロールすることを身に着けます。
DVは子どもたちの脳にも影響を与え、人格形成にも影響します。
子どもたちが将来加害者にも被害者にもならないために、デートDV防止教育は必要です。
さらにデートDVでは性暴力が起きやすいです。
性暴力は数年~十数年経過したあとに症状が出ることもあり、その被害の影響は深刻です。
デートDVも性暴力も魂の殺人と言われ、自死を選ぶ人もいます。
文部科学省は「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023」を踏まえた取り組みの推進のなかで、
・児童生徒の固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みの解消や、幼児期から固定的な性別役割分担意識等を植え付けることなく、将来のあらゆる選択肢について自由な希望を抱くことができるようにするための、教育環境の整備に資する取組(上記Ⅱ関係)
・生命(いのち)の安全教育の推進
などをあげ、重点的に取組むこととしています。よってその方針から各地方公共団体・各学校設置者は重点方針に取組みをしなければいけません。
特に、「生命(いのち)の安全教育」については、令和5年度より全国展開を推進しおり、令和4年 12 月に改訂された生徒指導提要では、性犯罪・性暴力に関する対応として、「生命(いのち)の安全教育」を実施することが明記されました。
当然その中でもデートDVについて実施しなければいけません。
特に私が実施しているデートDV防止教育はジェンダーを軸とし、その原因となる性別役割意識に気づかされる内容になっています。
ぜひ生徒さんたちが加害者にも被害者にもならず安全に自分の人生を生きることができるように、
差別を受けずジェンダー平等な社会で能力を発揮できるように取り組んでいただきたいです。